効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中東の石油

今日配送された日経ビジネスにざっと目を通していたら、最後の方にウオールストリートジャーナルからの転載記事があった。その表題は、「工業化の進展で国内消費が急増 サウジの石油輸出が減る?」 というものだ。世界最大の産油国サウジアラビアが、雇用の創出のために化学製品やアルミニウム、プラスチック製品の製造を国内で急拡大させ、その輸出を増やそうとしているとのことだ。これらの製造プラントが消費するエネルギーは膨大なもので、発電所の規模も急拡大している。発電も含めて自国産の石油が大量に消費され、輸出に回す原油が減るかも知れないということなのだ。これはサウジに留まらず、中東産油国に共通することだろう。
これは日本が原油を輸入していたインドネシアが、自国で消費する石油の量が増えたために、日本への輸出を急減させ、さらには天然ガスLNGにして輸出するのを制限しようとしていることと同じことだ。しかし、サウジアラビアから世界に向けた石油の輸出が十分になされないという事態になると、日本は自国に必要な量の確保ができるだけの政治力、経済力を背景にした交渉力があるのだろうか。自国に産業を定着させるために自国のエネルギー資源を使うのにどの国も反対できない。原油ではなく石油製品その他の工業製品をサウジから買わなくてはならなくなるだろう。そのための外貨を日本は稼げるだろうか。日本で現在作っている製品は、自国の安いエネルギー資源を使ったサウジの製品に対抗する競争力はないだろう。
さらに、自国の石油資源の将来を心配して、サウジは原子力発電所の建設に向かうらしい。ここで日本が力を発揮するのだろうか。