効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ダボス会議と日本

スイスのダボスで毎年1月から2月にかけての1週間、世界の著名な政治家や企業トップが集まって議論する会議が開かれる。世界経済フォーラム年次会合だが、一般的にはダボス会議で知られている。20年以上も前に、ヨーロッパが米国に政治経済面で劣っているのをどうすべきか、確かチューリッヒ大学におられたシュワブ博士がヨーロッパ諸国から人を集めて議論したのが始まりだと聞いている。彼はまだこの組織を率いている。ダボスの冬はスキーリゾート地で、チューリッヒ空港から車で3時間ほどかかる孤立した田舎街だ。周辺には何もないから議論から逃げ出すわけにはいかない。
この議論に参加した人たちが自由に意見交換し、その雰囲気を評価する政治家や企業人が多く集まるようになり、自由な交流があるのを知った米国の企業人や政治家も参加するようになってダボス会議は有名になった。日本からは経団連を中心にした企業人が参加するようになったが、政治家、特に閣僚が参加することはほとんどなかった。ちょうど議会の開催時期にあたったからでもあるが、自由な討論の場で自分の意見を表明することを嫌ったせいもあると思う。少なくとも私が前職会社のトップと一緒に参加したときには、日本の存在感は極めて小さかった。自己主張をしなかったからだ。
今年のダボス会議福田首相が参加すると報道されている。ぜひ官僚の作文ではなく自分の意見を表明してほしい。一国の首相だからといって誰も遠慮せず厳しい質問をするから、自分の主張がなければ酷評される可能性もある。報道では温暖化対応の枠組みを伝えるとのことだが、各国首脳と自由に意見交換できる場所になっているから、日本の姿勢を積極的に伝えてほしい。民主党の小澤代表も参加するという話だが、変な国内事情を持ち込まずに、国益のために力を合わせてほしい。密かな政治会談が行われる舞台になることでも知られている。私が参加していた頃中東和平の合意が表明されたこともある。
千人もの人が集まり、あちこちで開かれる小さな人数の昼食会や夕食会には驚くような人が参加する。前国連事務総長だったアナンさんと夕食会で同席になり握手したことを思い出す。通訳はつかないからこのような小集会で日本からの企業トップを滅多に見かけなかったが、勿体ないことだと思っていた。最近では英語のできる人も多くなったので事情は変わったかもしれない。
ともあれ、福田首相が参加されることになったことを嬉しく思っている。来年の政治経済を占う絶好の機会となるので、積極的に日本を売り込んでほしいものだ。