効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の温暖化対応

今日バリ島でのCOP13で、数値目標を入れるのに日米が反対して、EUと難しいすりあわせをし、結局2009年までに数値の具体化をすることで決着したようだ。途上国にも削減を求めることを盛り込んだ行程表案に同意を取り付けた上で採択すると報じられている。
同じく今日の新聞に、環境省経済産業省が14日に開いた地球温暖化対策に関する合同会議で、京都議定書が課す温暖化ガス削減の目標達成に向けた最終報告書案を公表したとある。そして企業に温暖化ガスの排出上限を設ける国内排出権取引制度や環境税などの導入を先送りする一方、産業界の自主削減努力や国民運動などで議定書の目標を達成する方針を示したそうだ。COP13への対応と軌を一にしているわけで、米国と共通の舞台に立っているように見えるが、米国では州レベルでキャップアンドトレードを実施して、EUと排出権の取引を行う方向に動いている現実を考えると、日本がいずれは先進国の中でもっとも温暖化対応に遅れている国になるのではないかと思える。
自主目標とか国民運動というのは、先の戦争の時に、一億火の玉で勝利しようという精神論で勝てると思った誤りを再度繰り返しているのと同じではないだろうか。国内でも痛みを分け合う義務量を設定するのを避けていたのでは、本気で温暖化対応をしていないと非難されるのはまず間違いない。日本のエネルギー効率が諸外国より高いのは分かるが、それを折り込んだ数字が京都議定書で日本に課された数字だから、いまさら逃げようというのは許されないだろう。国単位で行われるCDMではなく、企業単位で排出権取引ができるように急がないと、結局EUなどから排出権を高く売りつけられることになりかねない。EU排出権取引制度が完璧であるとは思わないが、試みを繰り返しているところに大きな意味がある。試みもしないで先延ばしだけして安心している日本政府も企業も、決断ができない組織でしかないのだと思う。