効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

オーストラリアが京都議定書を批准

オーストラリアの選挙の結果、労働党が政権をとった途端に京都議定書を批准することに積極的な姿勢を示し、12月に入って条約を批准した。ケビン・ラッド党首は新首相となったが、その直後インドネシアで開催される気候変動枠組条約第13回締約国会議にも自ら参加しているはずだ。政権が変わるとこんな大きな変化が起きるのかと驚く。
気候変動(いわゆる地球温暖化)の影響かどうかは必ずしも明らかではないが、オーストラリアはこのところ旱魃が続いていて農作物や畜産に影響が出ている。自分に影響が及ぶことが身近で起こると、その原因だといわれるものを除こうとする市民意識が急速に高まるのが通常だ。米国を異常に強いハリケーンが襲ったことで、市民意識が政府の考え方を変えるほどに方向転換したのだが、おそらくオーストラリアでも同じことが米国以上に起こるだろう。ただ、この国の場合、京都議定書によれば、これが策定された当時、1990年の炭酸ガス排出量の108%を超えないことという制約だったから、その後の排出量がむちゃくちゃに増えていない限り、それほど批准による制約は大きくないかもしれない。
オーストラリアの中心部には人口の多い都会は殆どない。したがって、自然エネルギーを促進することが京都議定書を批准することで強化されれば、おそらく風力発電太陽光発電の増強が進展するだろう。ただその電力を都会へ送る送電網がどれほど整っているかが問題となるかもしれない。オーストラリアには化石燃料が豊富にあって、日本は石炭、石油、天然ガスをここから大量に輸入している。今回の政権交代でエネルギーの輸出政策、開発政策にも見直しがかかる可能性も考えられる。安易に化石燃料、特に石炭を輸出することへの反省が出ないでもない。逆に、環境負荷が小さい天然ガスを国内に利用し、石炭を輸出する方向に動くとも考えられる。