効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭用燃料電池量産へ  本当?

昨日の日経新聞一面トップの記事が、家庭用燃料電池量産へ、来年度松下が専用工場とある。どうも発表を記事にしたものではないようだから、経産省の誘導記事かも知れない。とはいえ、松下電器が家庭用燃料電池の量産工場を滋賀県に建設し、来年度から稼働させ、当初は年に千〜二千台からはじめて2010年度には年産1万台体制にするとある。荏原バラードや東芝も一斉に量産に入ると言うことだが、量産しても市場に出せるほど価格を下げる自信があるのだろうか。勿論政府の補助を前提にしての話だが、政府のポケットも無尽蔵ではないし、それを受け入れる消費者が確保できるのだろうか。
現在一台400〜500万円と見られる製造コストを、2010年頃には100万円程度に下げて、15年には50万円程度を目指すとしている。どうもこの数字から見ると、経産省の目標を裏付けるためにメーカーがお付き合いしたという感じがしないでもない。現在行われている大規模実証試験も、今年度で終わるはずのところが、メーカーの要請で一年延長された経過がある。性能的にもまだ開発すべきものがいくつも残っているはずなのに、すぐコストダウンには行かないと思う。
しかし、量産工場を作る以上、松下電器も必死で市場を作り出そうとするだろう。外国への輸出も考えなければなるまい。政府の重点技術開発の中に、燃料電池のセルに使われる白金に代替する触媒の開発があるところを見ると、白金を使う限りコストダウンには限界があるということになる。あるいは、新しい触媒開発のめどがついたのかもしれない。だとすれば、嬉しいことだが。
三洋電機燃料電池部門を買収する新日本石油の名前は今回の記事には出ていなかった。経営組織上の問題が解決するのには時間がかかるだろう。いずれにしろ、オール電化ハウスへの対抗策でもあるし、地球温暖化防止への切り札でもあるし、新日石も頑張るだろう。家庭用燃料電池メーカーの努力に期待したい。