効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新日本石油と三洋電機

昨日の新聞で、新日本石油三洋電機燃料電池開発部門を買収するかもしれないと報道され、今日の新聞ではほぼ確定的のようだ。新日本石油は、LPGを燃料とする固体高分子型電解質燃料電池本体の開発を三洋電機と共同で行い、すでにフィールドテストを何十台も全国で行っている。新日石コスモ石油などにもシステムをOEMで供給する契約を結ぶなど、極めて積極的であるのは知っていたが、ここまで行くとは予想していなかった。自宅で稼動している天然ガス(都市ガス)を燃料とするシステムは三洋電機製の750ワット出力のものであることは何度も書いているが、大阪ガスから提供してもらっている関係で、これから大阪ガスがどのような反応を示すのか興味があるところだ。
新聞のコメントによると、電力事業のオール電化対応だとのことだが、それは開発がまだ途上でいつ価格的にも市場で競争できる商品に育つのがいつか分からない家庭用燃料電池と、すでに市場に出て好調に売れている電気ヒートポンプ給湯器を武器にしている電力事業のオール電化攻勢を比較するのは無理があるだろう。長期的な展開を考えて、三洋の経営状況が今のままだと燃料電池の開発が遅れると考え、自社の傘下に加えて開発を加速しようとしたのだろう。新日石は改質装置については高い技術を持っているし資金力もあるので、開発は促進されるかも知れない。
ただ、ガス事業の発言力が小さくなるのかどうか、今後の化石燃料価格の動向にも影響されるかも知れない。灯油と都市ガスはいつも競争しているだけに、関係は微妙だろう。