効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

学校の環境教育

環境教育の重要さは良く言われ、小学校や中学校の先生方も知恵を絞っているだろう。太陽電池が設置されたところでは、晴れの時と曇りの時でどれだけ発電量が違うかを調べさせているのは良く聞く例だ。これをもう一つ進めて、その結果学校からの炭酸ガス排出量が一年でどれほど下がり、学校の電気代がどれほど下がったかを調べさせているところは少ないだろう。環境やエネルギーについて教える先生の方に、そこまでの知識がないのと、知識や意欲があったとしても教材として使うだけの時間的余裕がないというのが実際の所だと思う。
E Sourceのプレゼンテーションで、学校のエネルギー効率化を推進しているコンサルタントの話を聞いた。興味を惹いたのは、生徒に学校のエネルギー使用の実態を調べるためのチームを作らせ、彼らに照明や暖冷房、換気、調理、水などエネルギーに関連するいろいろな調査をさせ、かつ、それをどのようにすればエネルギー消費を下げることができるかを検討させる。もちろんコンサルタントのほうは各種の計器を取り付けて調査をするわけだが、その数字はかみ砕いて生徒達にわかりやすい形で伝えられた。その結果として、学校のエネルギー消費が大きく下がると共に、生徒が学んだことは単に教科書から得たものをはるかに越えたという。生徒が家に戻って伝える情報も、実際に役に立つものであっただろう。
このようなエネルギー環境教育と実際の消費削減策の実行を連携させることが日本でできるだろうか。まず外部のコンサルタントにこのようなことをさせるには、学校長だけでなく教育委員会が反対するだろう。文部科学省の担当官に認識させる必要があるが、コンサルタントを使って学校のエネルギー消費を減らすための予算がないから駄目ということになるのは目に見えている。実利と教育を結ぶこのようなことを可能にするのは、環境施策に目覚めてきた東京都ぐらいかなと思っている。
E Sourceの会合が終わってデンバー空港へ1時間。荷物検査に長蛇の列で、危うく飛行機に乗り遅れそうになった。もしテロ対策が必要でない時代になると、ここで働いている人たちは職を失うことになるだろう。これは世界的な問題である。それに代わる雇用を創り出すのは大変なことかも知れない。この分野で消費されるエネルギーも膨大なものだろう。しかしこのエネルギーは、人間にとって不可欠な機能のために使われているわけではない。テロのない社会になれば、少なくとも空港のセキュリティー関連のエネルギーは、検査機器を製造するエネルギーも含めて不必要になる。ロサンゼルスへ向かう2時間の間に考えたことだ