効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電事業

電力市場の規模が大きい部分が自由化されて、いくつかの発電供給事業が新しく生まれた。従来の公益事業としての電力会社が行う発電以外に、非公益事業会社が発電を行い、電力会社の供給網を借りてその電力を買う顧客に電気を供給する。現在は大規模から50kWまでの規模のユーザーまでが自由化されていて電気の購入先を選択することができる。家庭用規模にまで自由化することについては、しばらく様子を見てからということに最近なった。
いま世界的なエネルギー価格の上昇によって、新しく生まれた非公益事業電力会社の殆どが、発電に使う燃料価格の高騰によって経営が悪化し、撤退する企業も生まれている。経営規模が小さいところへ燃料価格が上がったために、利益が出せなくなっているのだ。
欧米ではいま、大規模な太陽光発電を行い、発電した電力を公益電気事業に売ったり個別の企業や個人に直接供給する事業が次々に誕生している。税制優遇や優遇料金設定が、事業性を生み出しているわけだが、安定した収益が出せるビジネスモデルができれば、この太陽電池を使った発電事業は燃料価格変動のリスクがゼロだという特質が経営の安定性に大きく貢献することになる。これは、エイモリー・ロビンス博士が著書「スモール・イズ・プロフィタブル」(省エネルギーセンター刊)に説いているとおりだ。
甲子園球場の銀傘に太陽電池をつけても800kWにしかならないのだから、大規模集中型発電所一基分に相当する発電規模にするには、膨大な面積を必要とするのは確かだ。しかし、なにも一カ所集中にする必要はなく、都会の住宅やビルの屋根を利用するつもりになれば面積はいくらでもある。これを取りまとめて一つの発電設備とみなせるようにすれば、そこから出る電気を公益電力事業に販売したり、希望する民間組織や個人に販売する事業は成立するはずだ。肝腎なことはこれが事業としての継続性をもつようにすることだ。
太陽電池はまだ設備が高いというのが常識だ。しかし、送電設備が要らない、メンテナンスがほとんど必要ない、需要の多い時間帯にだけ発電する、そして燃料価格の変動リスクがないなどを織り込んで、系統からみた発電価格(需要端での価格)がいくらになるか計算する必要があるのではないか。炭酸ガスの排出がない環境価値も当然織り込まれなければならない。現時点での設備価格でも、考え方を変えれば電力の一般市場価格と十分対抗できるものになるのではないかと思っている。
日本でも太陽光発電事業が成立できる制度的環境を整えれば、大きな市場が育つに違いない。計算に必要な基本資料を集めてみたいと思っている。どなたかが既になさっているかもしれないが。
最近同じことばかり書いているようだ。