効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

節水型便器

水洗便器から流れる水を減らすために、水タンクの中に水を入れたビール瓶を入れている人も多いだろう。しかし、ビール瓶の本数を多くしすぎると、肝腎のものがきれいに流れなくなってしまう。
最近TOTOが一回の使用水量を業界最小の5.5リットルとしたタンクレス便器を発売すると発表した。1974年以前は20リットル必要だったそうだし、それ以降も長らく13リットルが標準だったそうだから大きな削減になる。同社は1990年代に米国で節水型6リットルの便器を発売してマーケットシェアを上げた実績がある。ただ日本の市場については必ずしも優勢であったわけではない。日本ではINAXが6リットル型を2006年に投入したのが最初だ。
タンクレス(流す水を貯めておくタンクが便器についていない)というのも新しい方向を示している。水道の水圧は場所によって異なることから、便器内部に加圧ポンプを組み込んで、設置場所によって水流が影響を受けないようにしている。洗浄力を十分保つためには便器内の水流パターンを微妙に変えているのだろうが、騒音も少なくなるように配慮してあるに違いない。一度TOTOショールームで試してみたいと思う。ホテルなどでも便器から発する音に気が引けることが多いからだ。
便器の排水量を減らすというのは、ロッキーマウンテン研究所のエイモリー・ロビンスが高効率シャワーヘッドの導入、普通の蛇口からの水量抑制とともに提唱してきた水資源有効活用の方策である。特に、日本式水洗便器が洋式便器に変わりつつある中で、環境志向の社会への移行に向けた優れた商品だと思う。これを超える便器を考えるとすれば、下水に流すのではなく、生ごみと一緒に溜めておき、それをメタン発酵させて燃料として使うことになるかもしれない。これには建物構造そのものから変えないといけないが、将来に向けた重要課題だろう。エネルギーの地産自消システムの一環になるかもしれない。