効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

再生可能エネルギーとは何だろう

再生可能エネルギーという言葉が報道記事に出ないことがない。それほどよく使われるものだが、その意味について最近考えさせられている。日本ではこれに新エネルギーという、まだ実用化段階に至っていないエネルギー技術で、たとえば燃料電池のように公的補助が必要であるものという定義のものもあって混乱しているが、ここでは新エネルギーははずして考えることにする。
太陽光発電、太陽熱給湯器、風力発電のエネルギー源は太陽である。風も太陽が地球を暖めた熱の分布が異なるために起きた空気の流れをエネルギー源としている。だから太陽が今の状態で存在する限り、エネルギーがなくなることはない。また、他の場所にある太陽エネルギーや風のエネルギーを持ってきて使うこともできない。あるがままのエネルギーを使うことになる。この類には波力発電、潮汐発電、温度差発電などが上げられるだろう。
水力発電はどうだろうか。水がなければ発電はできないのだが、水は貯めて置くことができる。他のところにある水をもってくることもできる。雨が降ることによって補充されれば発電能力は回復するから再生可能エネルギーといわれる。ただしダム式の大規模水力発電は環境破壊が伴うために再生可能エネルギーの定義から外されているものの、基本的には再生可能エネルギーとされる。しかし、水が貯まる速度以上に水を使うと、水力発電はフルの能力を発揮できないばかりか、止まってしまうこともありうる。その意味で再生可能ではない。
いまかしましく言われているバイオマスエネルギーはどうだろうか。バイオエタノールは、トウモロコシやサトウキビを原料にするから食料資源を圧迫すると批判されている。そのため、樹木や草木、海草などを原料にして製造することが望ましいとされ、その技術開発も進められている。このような資源から作られる燃料は、空気中の炭酸ガスを吸って成長する植物を原料にし、燃料として使われるときには、固定した炭酸ガスを元の大気中に戻すだけだという意味で、再生可能エネルギーと位置づけられている。大気中に戻った炭酸ガスがまた植物を育てるからだ。
しかし、バイオエネルギーの需要が増えたときに、その増加速度に原料となる植物の成長が追いつかなければ、再生可能ではなくなる。バイオエネルギーに適した植物を育てるために他の植物が育っている土地を転換すれば、その地域の環境を大きく破壊する可能性が高い。人口増加や乱開発によって森がなくなり、そのために滅びた国や都市は歴史にいくつも見られる。バイオマスエネルギーは、バイオマスの産出が消費を上回る余裕があるときにのみ再生可能なのであって、しかも、他の植物資源を侵害しないということが前提となる。つまり、抑制の効いた利用がなければ再生可能はありえない。地熱発電でも、大量に取り出すと地域的に枯渇することもあるし、地下のエネルギーを地上に汲み出すことで環境のバランスを壊すかもしれない。
こう考えると真に再生可能なエネルギーは、基本的に太陽のエネルギーを利用するものしか該当しないと言えよう。長期的に見れば、太陽エネルギーの利用をいかに促進するかが、地球表面に存在する生命体の一つに過ぎない人間に課された課題だと思っている。