効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国のマクドナルドとバイオディーゼル

このブログを読んでくれているオーストラリアにいる長男が送ってくれたBBC Newsの記事だが、英国のマクドナルドが配送用のトラック全部をバイオディーゼル燃料で運用すると報じている。この燃料の原料は、このファーストフード・チェーンが常時使っている調理用の油である。まずハンプシャーにある配送センターに属する45台のローリーから着手し、来年までにその155台全部を燃料転換するとのこと。これによって毎年1,650トンのカーボンを削減できると計算している。
クッキング・オイルは植物油だから、そこに含まれている炭素成分はもともと大気中にあったものを植物が吸収して固定したものだ。だから、これで作ったディーゼルオイルを使って車が走ると、エンジンからの排ガス中の炭酸ガスは、大気から来たものがもとの大気に戻るだけと考えられ、その意味でカーボンニュートラルと言われる。大気中の炭酸ガスを増やしも減らしもしないということだ。今までなら廃油としてゴミになっていたものをエネルギーに転換するのだから、意味のあるリサイクルになる。日本でも滋賀県京都府をはじめ各地で使用済みの天ぷら油などを家庭やレストランから回収してディーゼルオイルに転換させており、京都市の場合ゴミの回収車用に使っていることは以前にここで紹介した。使用済みの食用油からディーゼルオイルを作るのは比較的簡単で、いま話題になっているガソリン代替のバイオエタノールのように食料の供給に脅威となる可能性は低い。
日本のマクドナルドは同じような計画を持っているのだろうか。食品関連事業が廃食油を上手に回収してディーゼル燃料に転換すれば、ディーゼル燃料市場にも影響を与えるほどの量になるはずだ。この転換したディーゼル燃料の価格が、石油から作ったディーゼル燃料(軽油)と競争できなければ普及はしないが、そのためには、廃油をディーゼルオイルに転換するプラントが経済性を発揮できる規模にし、その処理量に則した量を安定して安く回収できるようにすることがもっとも必要だろう。このような燃料転換をすることが、企業の環境対応としてイメージが上がるはずだから、それを金額評価すれば、バイオディーゼルのコスト引き下げの原資にできるはずなのだが。