効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中小企業の効エネルギー

E Sourceから送られてきたレポートを読んでいると、米国の電力事業は電力消費の抑制のターゲットを中小企業とするように推奨している。日本と違って米国では電力需要に見合っただけ十分な発電設備がないところもあり、電力需要のピークを引き下げるのに必死になっている。いままで大規模な工業用などにアプローチする一方、家庭用の空調料金をピーク時に使わなければ引き下げるような料金プログラムを設定するなどしてきた。しかし、中小企業にもこのような料金プログラムは適用されても、設備自体のエネルギー効率を見直すまでには至っていなかったのだ。中小企業の設備は、最初に設置されたものがそのまま使われていることが多く、それを効率の観点から見直すだけの知識や能力もない。その不足部分を電力会社のスタッフが指導して、お金をかけずに電力消費を引き下げる手法を伝授しようとしているのだ。その中心になっている方法が、ポンプ類に過剰な能力のものがついていないかをチェックするというものだ。ポンプの能力が大きすぎても、設備設置業者はそれを最初に調整するが、その過程で大きなエネルギー損失を生んでいることが多いと指摘している。能力が過剰な場合、ポンプ自体を小さなものに取り替えるということもあるが、ポンプの中の回転翼を削って能力を落とすことも方法として勧めている。
また、交換時期に入っているならば、配管を太いものに入れ替えることによって、ポンプを大きいものにすることなく流体圧送能力を向上させるということも推奨している。これと同じような効果がある配管摩擦低減剤「エコミセル」を大阪ガスが開発販売していているのを知った。大型ビルの空調システムでは冷温水を循環させているが、このための動力が空調に必要なエネルギーの20~30%を占める。このエコミセルをこの循環水に混ぜると配管内を流れる水の摩擦が大きく下がり、ポンプの動力を30~40%引き下げることができるそうだ。この添加剤は一種の界面活性剤で水の乱流渦の発生を少なくすることで水を流れやすくしているのだ。摩擦を抑える添加剤は他にもあるが、熱が伝わりにくくなる欠点があったものを、伝熱効果が変わらないようにしたという。いわば、配管の直径を大きくしたのと同じ効果を出したわけで、そのコスト効果は大きいだろう。