効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

木質バイオマスのエネルギー化技術

廃材や間伐材をエネルギーとして利用する時に、そのまま直接燃やす以外に、密閉したところに入れて外から加熱してやり、蒸し焼きにして炭化させ、木炭にするという方法がある。炭化するときに出るガスも燃焼することができるが、問題は同時にタールという副産物が出てきてその処理が難しいということだった。タール自体は燃料として使えないことはないが、特殊なプロセスが必要になる。
このタール分を特殊な粒子に吸着させてコークス状にし、これも燃料として利用しやすく変える技術を、環境ベンチャーのバイオコーク技研と北海道大学が開発したと報道された。このプロセスを使うと、木材の25%が木炭、45%がバイオコーク、残りの30%がガスになるそうだ。ガスはおそらく若干の精製をして燃焼させたりエンジンの燃料に使える。木炭とバイオコークは、8〜900度で水蒸気と反応させると一酸化炭素と水素に変わるから、全部をガス化できることになる。しかも木炭とバイオコークは固形物で取り扱いが容易だから、他の場所へ移動させてガス化することもできる。
これが安定した技術として完成されたとすると、木質バイオマスの利用として新しい分野が開かれる可能性がある。木質原料は品種を選ばないだろうし、プラントの規模も大型である必要はないように見える。とすると、原料のあるところで使わなければならないのは、発生するガスだけだから、発電でなくても炭化プロセスの加熱燃料にも使えるだろう。そして、原料の半分相当を商品として持ち出すことが出来て、しかもその単位あたり熱量も大きいはずだから、輸送効率も高くなって経済性の面でも有望になる。