効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

温泉とメタンガス

昨日東京の渋谷で温泉施設が爆発して死傷者が出た。傷ましいことだ。その原因が温泉源の湯からメタンが発生したのを放出するシステムがうまく動いておらず、どこかにメタンが滞留して着火したと新聞は報道している。このブログで4月にメタンのことを書いたのにトラックバックがあって、その中でメタンが出ているのならなぜ臭わなかったのだろうかという趣旨のことが書いてあった。メタンガスは臭いという一般的認識で書かれたのだと思うが、メタンガスは本来無色無臭である。しかし、汚水などからメタンガスが発生するときには他に臭気を持つガスが同時に発生するためにメタンは臭いという汚名を着せられているのである。都市ガスにはメタンが主成分の天然ガスを使っているが、漏れたときに気がつくように臭いをわざわざ付けているくらいだ。
この温泉は地下1,500メートルから汲み上げているそうだが、どうも浴場に配水する前に加熱しているようだから冷泉なのだろう。地下では熱いはずだが、地表まであがってくる間に冷めてしまうのだろうと想像している。それは別にして、メタンガスをお湯から分離したのをそのまま大気中に放散する方式になっているらしいが、メタンガスの地球温暖化効果は炭酸ガスの21倍も強いから、量が少なくても溜めておいて燃やすくらいはしないといけないのではないかと思う。
興味があるのは、このメタンがどこで出来たものかである。1,500メートルの地下に有機物があって、それが分解してできたのだろうか。源泉が上昇してくる途中で入ったのだとすれば、他の成分も混入するはずで、この温泉は何かの形の汚染を受けていることになる。あるいは、地球の真ん中からメタンが絶えず運ばれているのだろうか。