効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽電池の発電コスト

新聞の解説を読んでいて考えたこと。
太陽電池の普及に発電コストが現時点の課題であることは明らかだ。政府の算定する数字では現在1キロワット時あたり46円であり、それを2030年には7円にまで下げるのが目標となっている。ここまで下がれば勿論素晴らしいことだが、これがその倍の14円ではまだ普及に問題があるだろうか。2020年にこの数字にするのが目標となっている。
今日読んだ記事のように、太陽電池の発電コストを火力発電所の発電コストと比較することがよくあるが、それは間違いだ。火力発電の場合、そこから送電・配電されるコストが加わるのだから、比較するのなら下流のコストを加えた、家庭用、商工業用に小売りされる電力のコストを対象として行わなければフェアーとは言えない。電気が使用されるところで比較すると、14円という発電コストになれば、家庭用の太陽光発電などは取り付けるだけで大きく得をすることになる。家庭用料金はいま22〜23円/キロワット時だから、余った電力を貯める設備にお金を使っても十分引き合うだろう。
ただこの数字の判断は、太陽が出ていない夜には発電できないという太陽光発電の特性をどれほど勘案したものかによって大きく変わってくる。日本での実稼働状況を平均した年間発電量を基礎にして設備コストと設備耐用年数を考慮に入れて計算したものだとすれば、2010年頃の目標とされている23円でも、少なくとも家庭用への普及にはほとんど問題が無くなるだろうし、自然エネルギーであるという価値を加えると、普及は加速されるはずだ。ただし、この時点で太陽光発電からの余剰電力を電力会社が買ってくれなくなるかもしれない。電力会社はどのような対応策をとるだろうか。