効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地熱をつかった空調

井戸水の温度は夏冬を通して大きな変動を示さない。これは外気温が変化しても地中数メートルにまでは届かないことを意味している。この変動しない温度を熱源にしてヒートポンプ空調を行うと、エネルギー効率は大きく向上する。ヒートポンプは、冷房時に室内の高温エネルギーを汲み出して外に排出し、暖房時には外の温度エネルギーを室内に取り込んでいる。このエネルギーの汲み出し、取り込みができるような冷媒を使用するわけだが、これを変動しない地中の温度を基準にして行うことができれば、真夏には室温より低いところへ熱を逃がし、厳冬期には外気温より高い地中温度エネルギーを取り込むのだから大きな無理をしなくても済む。
ヨーロッパでは暖房向けにこの方式がかなり普及しているという。しかし、日本では試験的に行われ始めたところである。その課題は地中との熱交換をする設備と設置のために縦穴を掘るためのコストが高くなることだ。しかし、夏に室内の熱を外に押しだしてヒートアイランド現象を加速するよりも、地中に逃がす方が良いのは明らかであるし、効率も従来方式のように空気を熱源にするよりもはるかに高まるのだから、この地熱を使った空調システムの普及にもっと力を入れてはどうかと思う。ある程度のコスト高は、このシステムを運転する電力消費が落ちることで補えるはずだし、環境改善効果を考慮すると、政府の補助対象にしても良いのではないかと考えている。