効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ボトル入りの水

以前にもペットボトル入りの水を飲むよりも、水道の水を飲む方が経済的でより安全だし、昔のイメージを引きずっている味も、ほとんど変わらないと書いたことがある。最近ワールドウオッチ研究所からのメールニュースにほぼ同じことが書いてあり、それに興味を惹くデータが紹介されていた。
いま、ボトル入りの水関連の事業はうはうはの盛況になっている。ビジネスとしては望ましいことかも知れないが、環境の面から見ると全く評価できないとしている。ペットボトルは化石燃料から作られ、そのリサイクルも順調に行っていない。水の製造、製品の輸送にはエネルギーを消費し、その水の安全性について誰がどのようにして確認しているか不明確であると指摘する。先進国の水道は、少なくとも健康面の安全性については厳しい管理がなされているが、ボトル入りの水については、人間の排泄物が混入しているのが発見されることもあるらしい。一方途上国では健康に被害を与えない水の確保すらままならないところが大多数である。
2000年、2005年のボトル入り水の消費を示すデータによると、2005年で消費量が多い順のトップテンは、米国、メキシコ、中国、ブラジル、イタリア、ドイツ、フランス、インドネシア、スペイン、インドである。日本はその他諸国の中に入っている。2000年に比べて総消費量が大きく伸びているのは中国(2.1倍)、ブラジル(1.8倍)とインド(2.8倍)。年間一人あたり消費量が2005年で多いのは、イタリア(191.9リットル)、メキシコ(179.7L)、スペイン(147.1L)。ついでフランス(139.1L)が入る。米国は99.2L. 一人あたり消費量が200年に比べて2倍以上に伸びているのは、中国とインドである。水ビジネスにとって美味しい国はこの二国になるのだろう。この両国は経済成長の伸びが著しく、その一方で水が不足の度合いを深めているところだ。エネルギー資源と同様に、水資源がこの両国に吸い取られることも考えられる。世界的な水取引が、今の石油のように行われる時代が近いのかも知れない。