効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

下水汚泥でコージェネレーション

ガス事業が、下水処理場で必ず出てくる下水汚泥をメタンガス化し、エンジンを廻して発電し、排熱を回収して給湯やメタンガス化に必要な熱に利用するコージェネレーションの燃料にするプロジェクトに業界を挙げて取り組み始めたようだ。日本ガス協会が4月、内部に「バイオガス利用促進センター」を設置し、業界大で普及策を練り始めたと報道されている。
殆どの都会では下水が一カ所に集められて終末処理がなされている。川や海の水を汚さないように浄化するのだが、下水の中に入っている主に有機物である汚物が全部消えるわけではなく汚泥として溜まっていく。従来これはメタンガス化してボイラーの燃料にするか、熱需要がなければ焼却処理されていた。これを燃料にすると、もともと動植物起源のバイオガスだから、いわゆるカーボンニュートラルとなって地球温暖化ガスである炭酸ガスを排出したとは計算されないことになる。自治体が下水処理を行っているが、炭酸ガス排出を削減しようとする方針を出している所が増えている中で、このバイオガスをコージェネレーションで電気と熱に変換できれば、廃棄物を有用なエネルギーに変えることができた上に、炭酸ガス排出がないと見なされるのだから地域環境施策としても極めて有効なものになるわけだ。
いままでも、発生させたメタンを燃料電池の燃料にするような実験設備はあったが、エンジンを使ったコージェネレーションは、すでに広く実証されている技術を使った、コスト的にもメリットがあるものとなるだろう。特に、発電された電力を全て構内電力に使えれば、電力料金を大きく引き下げることができる。電力が余ったときには、その地域の電力会社に売電することになるが、幾らで売れるかによって経済性が左右される。もしこの環境価値を評価して自治体の庁舎や学校などが電力会社より高く購入するということも工夫すれば可能だろう。この下水処理場発電所になるプロジェクトが普及するのを後押ししたいものだ。