効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国のコージェネレーション市場

中国の温家宝首相が来日した。非常に良い印象を日本国民に残したのではないか。勿論課題として残ることは少なくないが、協力できる分野を具体化し、方向を示したのは大きな一歩だった。日本がこれにどのように答えるか。歴史問題は安易に動けないことだが、エネルギー分野、特にエネルギーの効率的利用についての協力は、いままで日本が積み重ねてきた技術、制度、官民の役割分担など、多面的にできるだろう。
私が日本窓口をしているヨーロッパのエネルギー、特に分散型エネルギーに関する情報を提供するDelta Energy & Environment社が、マルチクライアント調査「中国のコージェネレーション市場」を間もなく発刊する。化石燃料を有効に利用するもっとも有効な方策が、エンジンやタービンを使って発電し、その排熱を暖房や給湯に使うというコージェネレーションであることに誰も異論はないだろう。ただ、中国は広い。気候条件も一つの国の中で異なるし、生活のパターンも文化的背景の違いが反映していることもある。それだけに実際にコージェネレーションがどのように今後普及していくか、なかなか読みにくい所があるが、中国の専門家と連携して市場の予測をしているらしい。冬が寒いところが多いし、石炭で集中暖房している古いアパートを見たこともあるので、いろいろな規模のコージェネレーションを適用することができるだろうし、潜在市場は大きいと言える。しかし、燃料の確保、熱の利用の仕方、電力系統との連系条件など、分からないところも多く、どのようなレポートが出るか楽しみにしている。
このようなレポートが、日中のエネルギー効率化推進協力に何かの役割を果たすことができるとすれば、窓口としても嬉しいことなのだが。