効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

低消費電力のルーター開発

昨日に続いて新聞記事の解説だ。3/14日経新聞夕刊の一面に低消費電力でありながら超高速インターネットの通信制御が可能になる新型ルーターが日本で開発されたと出ている。消費電力は従来の10分の一で処理速度は4倍というから、安かろう悪かろうの全く逆見本だ。効エネルギーとして出色の開発と言える。
ルーターはIT世界が拡大するのとともに設置数が増え、それに伴ってそれを駆動するに必要な電力が増えていく。ちょうど、パソコンの利用者が家庭でも世帯あたり1台を超えるほどの時代になっているから、パソコンが消費する電力が膨大なものになるのと同じことだ。パソコンのエネルギー効率を上げようとするプロジェクトが米国の電力会社の手で進んでいる。パソコンは交流を直流に変換する変換器がついているが、これはパソコンメーカーから見ると付属物に過ぎないので、その変換効率には関心がなかった。調べてみると極めて効率が悪いことが分かり、電力会社は管内のパソコンの変換器を効率の高いものに代えるのにお金を出している。効率が高い変換器のついたパソコンの台数が増えると、不足している発電容量を増やす投資をするよりも投資額が少なくてすむということらしい。
パソコンは電源を切ることがあるが、ルーターは情報の流れがある限り24時間稼働している。しかもその台数は膨大だから、その電力消費が10分の一になればその電力消費削効果が極めて大きくなることは確かだ。日本で家庭の電気器具の待機電力削減にかなり成功したが、そのIT世界版といえるものだ。しかも性能も上がるというのだから、いま米国に抑えられているシェアを大きく上げる可能性がある。
今回のルーターは家庭で使われるものではないようだが、待機電力の範疇にIT関連のルーターやモーデムも組み入れたうえでトップランナー方式を導入し、機能を落とさずにエネルギー消費を下げるような施策がうたれても良いのではないか。
私の仕事机の下にあるルーター無線LANの親機を撮影したが、それぞれ最大10ワットと5ワットほどを消費しているようだ。その他にCATVからの信号を変換するモーデムとIP電話用のモーデムが同じように常時働いている。この消費電力が半分になれば、気が付くくらい電気代は下がるだろう。