効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽のエネルギー

昨夜は寒かったが、昼はお日様が照っていい日和だった。
私も多少は関わったことのある、奈良のあすなら苑の太陽電池もよく働いているだろう。
下の写真がそれだ。

ところで、電力事業が発電する電力に占める再生可能エネルギーの比率を高めることになったが、それに伴って太陽電池の環境価値を二倍に評価することになった。最初は何となく良かったなと思ったのだが、これが太陽電池のユーザーにとってどのような意味、あるいは利益になるのかを考えてみると、いままでと全く変わらないことに気が付くと同時に、電力会社だけが炭酸ガスを排出しないエネルギーの価値を、今までの倍にして取り込むことが出来るのだということに気が付いた。ということは、これから電力事業が自ら太陽電池の設置を進めるのではと思えるが、そうなると、今のようにユーザーが使い切れなかった電気を電力会社が買い取る制度は、自分の売上を減らすだけになるので、いずれ買取を止めるのではないかと思う。電事連の会長がどうもそのような趣旨の発言もしている。太陽電池のユーザーが、余った電気を買って貰えないと言うことになれば、太陽電池を取り付けるメリットは全くなくなる。発電した分だけ見かけ上電気会社に支払う電気代は減るが、太陽電池の発電単価は高いから損をすることになり、地球温暖化防止に貢献しているという満足感だけになってしまうからだ。しかも、本来ユーザーのものであった環境価値を全部電力会社がただで取り上げるという契約になってしまったから、きわめて不公平な扱いだと言える。
電力会社は、余った電気を買い続けると大きな損を積み重ねるというが、本当だろうか。買取価格が電気料金の単価と同じだから損をするということは、発電所の平均発電原価と比較してそういうのだろうが、本来は太陽電池が稼働する昼間の発電原価に加えて、送配電コストも加えて判断しなくては、電力会社が損をするとは必ずしも言えない。本当は得をしているかも知れない。フェアーな計算をしてみる必要があるだろう。これをはっきりさせないと、太陽光発電の普及を政策的に推進することは難しくなるのではと心配だ。