効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

分散型エネルギー

昨日29日は、分散型エネルギーをいろいろ考える日となった。午前中燃料電池についての意見交換をする会合に出席。現在国、企業を上げて開発中の固体高分子型燃料電池が極めて微妙な素材と作動の組み合わせてできているため、商品化の時期はいま想定されているよりもかなり遅れるのではないかという印象を強く持ったと同時に、はるか次世代型だと考えられていた固体酸化物電解質高温型燃料電池が意外に早く、しかも価格的にも競争力を持つものになるのではないかという、ある種確信のようなものを持った。日本の伝統的セラミック技術が応用されて世界をリードするものになってほしい。
午後、自分が翻訳した「スモール・イズ・プロフィタブル」(エイモリー・ロビンス著)が出版後2年になって、どれほど売れているかを知りたいこともあって、出版元の省エネルギーセンタ出版部を訪問した。まだ半分ほどが残っている。内容としてこれからの日本のエネルギー、特に電力供給のあり方に参考になると思うが、この指摘するところは日本の電力業界にとっては受け入れがたいところも多々あるために、また内容が膨大で値段も5千円近くと個人では買いにくい範囲であるためかなと感じる。しかし、これからエネルギー消費効率を上げるということにさらに力点を置かなければならないわが国にとって、分散型発電に関わる、またESCOに関心がある人にはヒントを貰えることが随所にあるものだけに図書館ででも読んで貰いたいと切に願う。
その後、この本を教科書のように使って若手スタッフが研究会をしている企業に招かれて、なぜこれを翻訳することになったかの背景などについて話をする機会をあたえられて出席した。その後の一杯やりながらの意見交換会も面白く、刺激を貰った。解を一つと決めつけずに取り組もうとする柔軟さがこれからの日本を救い、活性化するだろうと感じた次第。会合がかなり遅くまであったので、ホテルに着いたら日記を書く時間はなかった。

今朝は、有楽町のシャンテシネで、アル・ゴアの「不都合な真実」を観賞。この間大阪で最終日に行ったら午後の部がなくなっていたので機会を失っていたのを、この上京の機会に取り返したわけだ。朝9時からというのに結構沢山の人たちが集まっていた。温暖化を裏付ける事実は別として、アル・ゴアの伝達力・説得力を印象づけられた。また、自分の信念に忠実であろうとする行動とそれを支えるサポーターの支援も凄いものだと思う。
分散型エネルギーの普及が彼の行動指針に合致しているのは確かであることは間違いないし、早期に炭酸ガス排出を削減できる有効な方策の一つだとも思う。映画の中で、エンドユースのエネルギー消費効率化、機器効率向上を明確に説いている。
いま窓口をしている米国のE Sourceと欧州のDelta Energy & Environmentの情報がまさにその開発動向をしめしているだけに、日本のエネルギー業界、機器業界にも参考になると思う。http://www1.kcn.ne.jp/~santo/ に紹介をしているので、アクセスして貰えれば有難い。