効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池で駆動する列車

この9月16日、ドイツの北海に面したCuxhavenで、燃料電池列車の運用開始の式典が開催され、ドイツの運輸大臣など多数のゲストが出席している。ここから100キロほどの所にあるBuxtehudeを結ぶ路線に導入されたもので、このメーカーはフランスの車両メーカーとして知られるアルストム社。17日から商用運転に入った。燃料には水素が使われるが、圧縮水素タンクが車体の屋根に設置されている。最高時速は140キロ、一充填での走行距離は1,000キロだそうで、これが現在走行しているディーゼル列車の内2編成を置き換えることになっている。そして、2021年迄に残りの14編成が燃料電池駆動になるという。1つの駅近くに建設される高圧充填設備から水素燃料が供給されるが、走行可能距離が長いために、充填設備を増やす必要はないそうだ。
燃料電池は床下に設置され、発電された電気はリチウムイオン電池を充電し、電気モーターを回転させて走行する。蓄電池があるために、回生ブレーキを使って減速し、その時に発電させる電気を再度蓄電することができる。アルストム社によると、ディーゼル列車に比較してコストは10〜20%高いが、数年で回収できるようだ。この開発は4年前に始まったのだが、ドイツ政府の強力な支援があったお陰でこのように早期開発が出来ている。北海の風力発電からの電力を将来利用することになるだろう。今後30年でディーゼル車をなくする計画だという。
アルストム社の燃料電池列車は英国にも導入される計画が進んでいる。英国はディーゼル車を2040年迄になくする目標を掲げていたが、この実現がこの列車で実現すると想定されている。残念なことに日本ではまだ商品化の段階にはないようだ。