効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池シンポジウム2018

毎年5月に燃料電池シンポジウムが開催される。今年で25回目。参加者は400名ほどとかなりのもの。燃料電池に多様性が増え、業界といえるものに育ったような感じがする。日本独自の家庭用燃料電池エネファームの市場の拡大についての報告で、導入にあたって、技術開発だけでなく、規制の緩和を求めて多大な努力が投入されたことをあらためて認識させられた。基本的には発電機だから、それまでの厳しい規制が適用されたら家庭用になど商品化は無理だった。まず電気主任技師がいないと運転できないとか、厳しい保安規定、停止したときに窒素パージをする必要など。さらに消防への届出や建物からの離隔距離などだ。おそらくその緩和には既存の電力業界からの反論があったに違いない。それを手を変え品を変えて、条件をなくしていったのだ。そして、3.11の後計画停電があったことから、停電しても運転を継続できるようにすることが許容されたとか、系統に逆流することが認められたことも追い風になっている。これからの課題は、コストダウンと、新規に登場した燃料としての水素への対応があるかもしれない。会場では久しぶりに会った人もあって、昔を思い出す良い機会となった。