効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

LPGの輸入

2017年のLPG輸入量が、米国からのものが中東諸国からのものを上回ったようだ。国内の石油精製事業からもLPGは生産されているが、全体の消費量のうち75%は輸入に依存している。また、都市ガスのパイプラインが国内に行き届いていないために、ガスをLPGに頼っている世帯は多く、その価格の動向は日本経済に与える影響も大きい。その価格について、中東諸国からのものはサウジアラビアの値決めに支配され、それについてこれまで納得のいく説明はなされてこなかった。だが、シェールガス・石油の生産が米国で急増する中、随伴生産されるLPGも急増し、日本向けの輸出量が大幅に増えたのだ。その価格は米国での市場価格が目安となるため透明性が高い。2016年にパナマ運河の拡幅工事が完了したことも米国東部海岸からの輸送日数も短縮され、輸送コストの引き下げにもなっている。輸出ターミナルの増設も進んでおり、今後さらに日本への輸出は増えるだろう。また、豪州の天然ガス産出も今後大きくなるため、豪州からのLPG輸入も増えるだろう。中東産のLPGの価格支配力は弱くなり、世界のエネルギー価格の動向と同じ動きをするだろう。日本にとって米国からのLPG輸入が増えることは、LNGの輸入と相俟って、価格安定に結びつくが、心配なのはトランプ大統領がこれを切り札の一つとして利用しないかということだ。今後の動向は良く見ておかねばなるまい。