効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

足元を見られた日本

日本の輸入するLNGはこれまで、輸入契約条項として転売が認められていなかった。だが新規契約を迎える輸入契約の更新について、世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出国、カタールのサダ・エネルギー・産業相は、購入者がLNGを第三者に転売できない「仕向け地条項」について、日本が今後の契約交渉で見直しを求めても応じない考えを示したと報じられている。日本はLNG輸入の世界シェアが約3割に達する大口輸入国。それだけに需要が減っても第三者への転売ができなければ保管コストが余分に生じるリスクが大きい。最近輸入が始まった米国からの輸入には、この仕向地条項は入っていないはずだ。といっても米国からの輸入量はまだ少ないし、米国依存を高めるとトランプ大統領の餌食になる可能性もある。いま中国がLNGの輸入量を急速に伸ばしている現在、日本としてあまり強くこの条項の撤廃に固執できないだろう。サダ氏は「従来型の長期契約は双方の利益にかない、安定供給を確実にするものだ」と強調したとされるが、日本として何か見返りを出す、あるいは米国がいまやっているような何かカタールの重荷になるような貿易条件を他の製品などで適用するなどができないだろうか。環境対応のためにもこれからLNGの輸入が減ることはないだけに、頭の痛いことだ。