効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

2018年度から10年間の電力需要量予測

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、一般送配電事業者より提出された2018年度における供給区域需要の想定について、その適合性を確認するとともに、その合計から10年先を見通した、全国の電力の需要想定を策定し公表した。その内容を見ると、2027年度における最大需要電力(夏季:送電端)は1億5,738万8,000kW(2016〜27年度平均増減率:0.1%)で、需要電力量合計(使用端)は8,459億7,900万kWh(同:0.0%)となった。いずれも一般送配電事業者が2017年度供給計画として届け出た2017年度供給区域需要(2026年度)の合計値を下回る需要想定となっている。これが示していることは、今後電力需要は伸びないと予測されている訳で、発電設備容量を追加する必要はないということだ。だから、原発の再稼働の緊急性はほとんどなくなっている。古い火力発電所を新しい発電効率の高いものに入れ替えることによってCO2の排出量を大幅に下げることが出来るだろうし、コストが大きく下がりつつある蓄電池と太陽光や風力発電と組み合わせて出力の平準化ができるようになれば、再エネ比率を大きく上げることは可能になる。電力需要が伸びないのは、おそらく重工業から軽工業、サービス業に産業構造が移行していることと、効率の高い電気設備が増えるからだろう。経済成長率が下がるのではない。電力需要と経済成長率が同じ動きをする時代は終わったと考えても良かろう。