効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

*10電力で送配電系統の仕様が違う

政府が検討している電力インフラの災害対策案として、送配電の設備の仕様を電力大手10社で統一し、災害の発生時に復旧作業を進めやすくする、という記事を見て仰天した。そこまで電力事業の独占性が出ていたのだ。自分の供給エリアについては完璧な送配電系統を作り上げるが、隣が何をしているかに関心はなかったのだ。変圧器や電線の構造まで違うというから恐れ入った。隣同士の電力融通はあるが、接点が少ないために隣の系統の仕様にまで口を挟む必要はなかったのだ。例えば送電線は各社がアルミや銅など異なる素材を使っている。

この問題が表面化したのは、今年何回も起きた災害時の送配電網の損傷だ。地域外から復旧に向けた支援が行われたが、持ち込んだ機材が、現場の仕様に対応できないこともあり、完全には使えなかったという。経産省は「復旧作業の円滑化につながる」とし、電力各社に対し設備の更新時に仕様や規格を統一していくことを促すという。電気料金には送配電設備の維持・管理費が含まれる。仕様の統一で大量調達が可能になればコストが下がり、電気料金の引き下げにもつながる。電力会社による送配電部門の再編・統合がしやすくなる可能性もある。

その他に示されている災害対策案の一つに、北海道の大停電の苦い経験から、本州から北海道に融通できる電力容量を増強しようというものがある。これは以前から指摘されていたのだが、金のかかる話だから、これまでに始まっていた増強容量も少なかった。同じことが九州と本州を結ぶ連系線についても言える。この容量がもう少し大きければ、いま九州で土日に繰り返されている太陽光・風力発電の出力抑制もしなくて済んだ可能性が高い。四国電力管内の場合、中国電力関西電力との2つの系統連系があるからまだ問題は少ないが、その見直しも必要だろう。

沖縄と離島は別にして、日本全体の送配電管理が当然のように行われるようにならないと、エネルギー的に見て単一国家、統一国家とは言えないだろう。