効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北海道電力の揚水発電所

北海道電力は2014年10月に道内で初めて純揚水発電所、京極発電所京極町)の運転を始めた。15年11月には発電機を2台に増やし、最大出力は中規模火力発電所並みの40万キロワットになっている。ところが、この発電所の発電利用率が低迷していて、15年度は約2%にとどまり、16年度も同程度で推移していると報じられている。京極発電所はダムが川をせき止めて造った下部調整池と、それより400メートル高い位置に人工で造った上部調整池で構成している。電気が余っている時間帯に電動ポンプで上部に水をくみ上げ、足りない時間帯に水を落として発電する。北電は京極発電所の利用目的について(1)太陽光や風力発電所の発電量の変動を吸収する(2)電力需要が増える時間帯に電力を供給する(3)火力発電所の計画外停止に備える――と、3点をあげるが、泊原子力発電所の運転が長期停止しており、揚水に多くの電気を使ってまで利用する利点が薄れているようだ。この余裕を使えば、北電管内に太陽光や風力発電所を大きく導入できるはずだが、これ以上導入できないとしているのは、いずれ再稼働すると想定している泊原発のために、敢えて設備を遊ばしているということだろう。