効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

廃炉費用

これまで、原発からの電力のコストは安いというのは、安くなるような制度設定をしているからであって、本質的には高いといってきたが、それを裏付けることになる制度を政府が導入しようとしていると毎日新聞が一昨日一面トップで報じている。その内容は、原発廃炉福島第一原発事故の賠償を進めるために、大手電力会社だけではなく新電力にも費用負担を求める方向で調整に入ったというもの。電力自由化で大手電力から新電力に契約を切り替える消費者が増えた場合、巨額の費用を賄えなくなる可能性があるためだという。全ての電気料金に上乗せされることになるため、家族3人の標準過程モデルで月額数十円から200円程度の負担になると計算されている。原発のコストは大手電力が発生させたものであるし、新電力には再生可能エネルギーを供給する事業者もあるから、そのあたりは極めて不自然。原発を抱える発電事業者の救済策だ。この上乗せは、原発を持たない沖縄電力管内の消費者も払わなくてはならないのだから、何とも奇妙なことだ。原発廃炉にかかる費用は、110万キロワット級の原発で570億〜770億円程度とされる。これは50万キロワット級の火力発電所の撤去費用30億円程度と比べて15〜20倍超と巨額で、電力会社の経営の重しとなっている。原発保有する電力大手各社は、原発廃炉に備え、必要な費用を「原子力発電施設解体引当金」として、電気料金に上乗せして徴収しているが、大きく不足すると言われている。