天皇陛下が生前退位の意を表明された時、ちょうど病院へ行く車の運転席にいた。病院の駐車場に入ってからも続いて聞いていたが、このお覚悟は大変なものだろうと思う。一方、象徴の地位を継承する人にとっては、現天皇がなさってきたことが一つの基準となるために、苦労されるのではないかとも感じた。天皇の象徴という抽象的な存在を具体的な物に形作る努力をしてこられたのだが、それが先例とならないような制度を準備しなければなるまい。急病で意思表示をすることができないというケースも考えられる。簡単に結論が出る問題ではなさそうだ。
