あの事故から５年経ったというのに、４県の３７市町村で放射性物質の除染が済んでいないという。ということは、ここに住んでいた人たちはまだ希望しても戻れないと言うことだ。その除染もどの程度のレベルまで放射能が低下したかは不確かだろうと思う。果てしのない作業になるかもしれないのは、実に気の毒なことだ。果てしがないと言えば、事故現場の地下水の流入を阻止するための凍土壁を築く設備が完成したようだが、実際に機能が万全に発揮されるかどうか、専門家の意見も分かれているらしい。1.5キロメートルもある長さの凍土壁がうまく凍ったとしても、それを維持することは難しいかもしれない。凍らせておく期間は10年を超えるそうだから、そこに投入される電力も膨大な物になるだろう。その電力はどこから供給されるのだろうか。廃炉に向けた作業はまだ緒に就いたとも言えないような気がする。
