奈良県の次期環境総合計画(平成28〜32年度)の素案がまとまり、発表された。平成8年度からスタートした2期の計画では、策定期間を10年間としてきたが、課題の多様化や高度化、状況変化の速さに対応するため5年間と短縮して設定されている。来年2月頃までに新計画案をまとめ、27年度末に策定するということだ。次期計画では「リーディングプロジェクト」として「大和川のきれい化」「奈良らしい環境づくり」「ゴミ減量化」の3つで施策推進の方向を示すこととしている。大和川の水質改善はこれまでも長く続けられているが、それなりの成果も出している。大和川水系21地点の水質検査で18地点が基準を下回り、紀ノ川水系でも5地点のいつ4地点が基準以下だった。これを受けて、平成32年度までに県内4水系河川の100%基準クリアーを目標としている。奈良らしい環境については、県内51カ所で計画している「なら四季彩の庭づくり」がまだ36箇所しか整備着手できておらず、32年度までの全箇所着手を目標に掲げている。奈良らしいという内容が良く分からないが、景観が改善されるのは結構なことだ。ごみについては一人1日当たりの排出量について、現在の918グラム(25年度)を29年度には870グラムに減らすとし、一般廃棄物のリサイクル率を13.1%から25%に高めるのを目標にしている。リサイクル率を2倍近くに高めるのは、ゴミの内容とも関連があるから難度が高いだろう。奈良県民として、身近な環境に改めて注目する機会にしたいものだ。