効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

15年版環境白書

政府は5日、2015年版「環境・循環型社会・生物多様性白書(環境白書)」を閣議決定した。少子高齢化などの影響が目立つ地域の経済を活性化するには、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを導入して基幹産業の一つにすることが重要だと指摘している。国は省エネや再生エネの利用拡大を進めているが、その中でも地方都市に再生エネを導入して地域の基幹産業として発展させるべきだと訴えた。地方で再生エネを使ってつくった電力を大都市圏に販売すれば、衰退する地域経済の活性化に役立つと強調し、地方創生と温暖化ガス削減の2つの側面から、再生エネ導入と省エネ推進を主張している。だが、これは、最近政府が決定したエネルギーミックスが想定するものと摺り合わせができているのだろうか。このような活性化が必要な地域で急速に進んできた大規模太陽光発電設備の設置が、発電された電力を高く買う固定価格買取制度の買取価格を、本年度に入ってかなり大幅に削ったために、太陽光発電事業の継続的な運用をする経済性が確保できないものも続出し、これからの太陽光発電の伸びは大きく低下するとも予想されている。また、農地への太陽光発電の設置についても、転用許可がなかなか下りないという問題も指摘されていて、規制緩和に向けた農水省との摺り合わせも十分できていないのではないか。また、地域に設置される設備が生み出す利益が、地元に残るようにする制度的な準備も推進しなくては、地域振興にはならない。原発の稼動を確保したい政府あるいは経産省の思惑と、環境省の再エネ推進施策がどのようにこれから具体化されるのかを注視したい。