効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東西の系統連系で越境取引3倍に

経済産業省は日本の東西をまたぐ電力取引の容量を拡大させて、電力の周波数が異なる東西で相互に越境して電力の売買ができるようにすると決めた。現在の周波数変換設備の最大容量は120万キロワットだが、官民の取り決めで夏季と冬季には80万キロワット、それ以外の時期には65万キロワットを余らせておく必要があることになっていたそうだ。これほど大きな制約があるとは知らなかった。おそらく地域独占が崩れるのを怖れた東西の電力会社が自由な流通を認めなかったのだろう。これに対して、経産省が音頭をとって新しいルールをつくり、平時にも容量いっぱいまで使えるようにするのだそうだ。これも問題なしとはしない。緊急事態に備えた空き容量を少しは確保しておく必要があるだろう。だが、臨時国会で改正電気事業法が成立し、15年4月に広域運用機関をつくることが決まり、全国の電力需給の調整役や緊急時の司令塔となる。全国で機動的に電気をやり取りできる仕組みが整うため、東西の周波数の変換装置が平時に容量を余らせておく必要性は薄まると判断したと報じられている。平時と緊急事態の切り替えはどうするのだろう。2020年度には160万キロワットを210万キロワット、中期的には300万キロワットにまで拡大する計画だ。これでも不十分だとは思うが、これまでこの容量拡大の必要性を認めなかった電力業界も、現在の需給逼迫と全面自由化の波に対応するために軟化したということは将来のために望ましいことだ。次は北本連系線60万キロワットの拡大だろう。これは北海道にある風力発電潜在量を顕在化させるのに避けて通れないものだ。