効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

工場排水で発電

このタイトルを報道記事の最初に見た時には、水力発電かと思った。違っていた。高野豆腐関連の食品を製造する長野にある会社が、工場の排水を利用して売電する事業を始めるという。高野豆腐製造の過程で、排水中に残渣が多く出てくるのだろう。この水はそのまま下水に流すわけにはいかない。必ず排水処理をして有機物残渣を取り除かねばならない。これまで多分除去した残渣は事業ゴミとして処分されていたのだろう。この残渣を一時貯めておく場所もすでにあったはずだ。それを、有機物が多い水に微生物を添加してメタン発酵させる方式を導入し、このメタンでガスエンジンを駆動して発電するということのようだ。導入費用は数億円だそうだが、最大出力は250キロワットと意外に大きい。売電収入によって数年で投資額を回収できるという。再生可能エネルギーの固定価格買取制度のお陰であることは確かだ。キロワット時あたり40.95円で20年間買い取って貰える。これまでコストの掛かる厄介者だったものが、金の卵になったと言えるかもしれない。ただ、メタン発酵の維持管理は結構手間が掛かり、専門知識も要るから、このようなシステムを利用するところは多くはないだろうと思った。しかし、経産省によると5月末時点でこの会社も含めて全国で25件の申請があったという。案外排水処理の切り替えが有効なのかもしれない。