効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風力発電と環境アセスメント

風力発電に敵したところは日本にも多いのに思ったほど増加しない。固定価格買取制度ができたから少しは事業性が出るはずだと思っていたが、その事業性を阻む一つが電力会社が系統制御に悪い影響を与えるとする反対と、その影響を少なくするためにコストが大きいことがまずある。それに加えて新しく、ある規模以上のものには大規模な環境アセスメントをすることが義務づけられたことによって計画の検討と事業性の判断に長い時間がかかることがあると理解していた。しかし、その環境アセスの内容を具体的に知る機会がなかったのだが、今日の日経新聞一面に内容がルポの形で紹介されている。
調査の中身はどうか。「正直、疑問を感じることも多い」。事業者から調査を請け負うコンサルタントが実情を教えてくれた。風車にぶつかるかもしれない鳥の生態をつぶさに調べるのは当然。関係の薄そうなネズミやモグラ、近くの川のドジョウやタニシも追いかける。「やっかいなのは虫。場所によっては1000種類」。チョウ、アリ、ダンゴムシ。地面にわなをしかけたり、ランプでおびき寄せたりして、地をはうように調べ上げるという。自分としては環境アセスそのものに反対する気持ちは全くないが、その内容がここで紹介されたものだとすると、内容そのものを審査する必要があることは確かなようだ。米国のボストン湾で計画された洋上風力発電が地域の反対で10年以上遅れ、認可が出た後もまだ着手されていないケースもあるように地域への影響は避けられないが、国策として普及させようとするのなら妥当な環境アセスを妥当な期間で行えるような具体策が必要だろう。