効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

火力依存増大

すぐに原発依存をゼロにすることはできないにしろ、脱原発を目指すのは国民のコンセンサスだろう。その時に、石油、石炭、ガスを燃料とする発電に頼るのは短期的には仕方がないことだ。だがそれによって経済が破綻するか。輸出でエネルギーの輸入が賄えなくなるという意見もある。しかし、イタリアは国民投票原発依存をゼロにした。同国は石油もガスも石炭もほとんどが輸入に頼っている。1990年までに原発凍結を決めたイタリアでは2000年からの10年間で電気料金が家庭用で4割上がり産業用は2倍になった。今は主要国で最も高い。09年の電源比率は原発ゼロ、水力などの再生エネ25%、火力75%。ただ、電力も輸入できるのは日本と異なる。国の財政が悪化していることは確かだが、エネルギー輸入コストが賄えなくなったとは聞かない。産業が逃げ出しているとも聞かない。日本の財政も既に悪化している。
要は中期的に火力発電依存量を減らす、すなわち、エネルギー消費の効率化で電力需要を減らすことにまず取り組むことだ。それも、無理、我慢で節電するのはどこかで止められるほどにエネルギー需要を減らすべきなのだ。再生可能エネルギーの増強もすぐにはできないが、努力を傾ければ火力発電の量を減らすほどの量を確保できるはず。そのためには多面的な取り組みをすべきだが、日本はこれまで実行してこなかった。沖縄には原発がないからこの管内の電気料金は日本でもっとも高い。それでも製造業がゼロかというとそんなことはない。これから想定されている電気料金の値上げ幅も大きいはず。日本で脱原発に反対するのは現状維持しか考えないからだ。新しい発想を生み出すことがこれからの日本を救うだろう。