効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東京都の火力発電規模

いや驚いた。今日の日経夕刊一面トップで、東京都が湾岸に出力10万キロワット級の天然ガス火力発電設備を10基、全部で100万キロワットを建設すると報じられたからだ。発電所建設自体は前から分かっていたが、小さいものを集めるという発想に感心した。その第一の理由が、10万キロワット級であれば、時間のかかる環境アセスが不必要だから、というのだからなる程という他はない。具体的に環境アセスがないと天然ガス火力なら2年で稼動開始ができるという。ここで短いと書いてはいたが、相対的な感じを言ったまでで、これほど早くできるとは思っていなかった。都は土地を持っているから、その利用ができるので、早期着工ができるのだろう。土地から手当てすれば時間はもっとかかる。資金は投資ファンドを設立して400億円ほどを調達して、新電力事業者へ融資するとのこと。10基を分散させるのは興味ある方法だ。他の自治体、例えば大阪府などが同じことを実施する可能性がある。福岡県知事は民間事業を使って同じことを考えているとも報じられている。問題は合計100万キロワットの燃料をどのように確保するかだ。LNG100万トンの規模だから、東電、東ガスですぐ賄える量ではないだろう。新たな入手先を確保しなければ、時間的な制約も出てくる可能性がある。これについては何も報じられてはいないが、10万キロワット単位で建設するのも燃料調達のリスク分散になるかもしれない。興味ある計画ではある。標準化された小さい発電所の積み重ねは、最終的なコストが下がるということの実証にもなるだろう。