効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国の国防省と太陽光発電

米国から来たEメール情報を読んでいたら、米国国防省カリフォルニア州周辺にある砂漠に太陽光発電を設置して、軍事基地の電源にしようと計画しているとあった。太陽光だけでなく、空軍や海軍はバイオ燃料をテストしたりして、エネルギーの再生可能エネルギー依存度を高めようとしている。軍隊として全体の効率化を進めるということに留まらず、エネルギー供給を自前で行うという安全保障の見地もあるようだ。
カリフォルニアとネバダ州に7カ所の軍事基地がある。砂漠地帯は軍事演習用などにも使われているために、どこへでも太陽光発電設備を取り付けることができる訳ではない。この1月半ばに報告書が出されているが、利用可能な場所をリサーチしてみると、発電可能量は基地が消費する電力の30倍もあるという。カリフォルニア州の電力会社が2015年までに要請されている再生可能エネルギー量の25%に相当する膨大なものだ。面白いなと思ったのは、この設備設置を国防省が予算を準備して進める必要がないということだ。民間事業者に設置を任せれば、建設完了後売電できる収入でプロジェクトが成り立つという。逆に連邦政府に収入が入る計算となる。国防省はエネルギー費用として年間40億ドルを使っているが、それを減らすことができる。さらには、太陽光発電以外のオンサイト発電や大型蓄電装置も加えて、軍事基地がエネルギー供給を完全に自前でできるようにしようともしている。民間の電力供給が中断したときに備えて、マイクログリッド技術の開発で自立した電力供給をかのうにしようとする研究も進んでいるらしい。軍事用に開発される技術の影響力は大きいだろう。これは日本に少ない側面だ。インターネット技術がもともと米国の軍事技術として立ち上がったことを考えると、米国国防省再生可能エネルギー技術やエネルギー効率化技術開発動向を常に見ておかなければならないのだろう。