効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

木の生命力

ついこの間訪れたばかりの元興寺。その僧坊であった国宝の禅室を構成している材木の一部が、法隆寺建造時期よりも古い年代である586年に伐採された檜であることが最近の調査で分かったということだ。世界で最も古い木造建築とされる法隆寺(7世紀末〜8世紀)を約100年さかのぼり、世界最古の「現役」木造建築部材になる。
奈良市役所の庁舎一階に奈良時代の模型が置いてある。それを見ると現在奈良町にある元興寺からは想像できないほど大きな寺域をもつ寺院であったことが分かる。もともと明日香にあった飛鳥寺が平城遷都(710年)で移され718年から建立されたのだそうだが、新築されたとされていたのが、少なくとも僧坊部分は移築されたものであるようだ。元興寺文化財研究所で展示されているものにも支柱などに使われた檜が展示されている。その年代を明示してなければ、それほど古いものだとは分からない。檜の生命力の大きさを感じさせてくれる。実際に構造材として使われている丸太の年輪を測定して年代が分かったそうだ。その技術も大したものだ。樹木は育った地域で自然条件さえ整えられていれば、簡単に朽ち果てるものではないということだ。この耐久性を近代建築材に応用することはできないだろうか。寺院の塔の構造の耐震性は近代建築に生かされている。自然素材をもっと研究する必要があるだろう。