効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

宇宙衛星いぶき

さっきたまたま見ていたNHKクローズアップ現代で、今後環境問題を論ずるときに必ず参照されるであろうデータを日本の環境観測衛星「いぶき」が打ち出していることを知った。地球を周回しながら、地表のCO2濃度を連続的に観測しているのだ。それを時間で連続させるとCO2が地表を移動していくのがはっきりと見える。日本は素晴らしい貢献をしている。その中で、CO2だけではなく、メタンの発生濃度も分析している。ロシアの天然ガスパイプラインからガスが漏出しているのも分かったし、中国の炭鉱から大量のメタンが発生しているのも発見された。コメントしていた東大の先生も言っておられたが、このデータにはいろいろなノイズが入る可能性がある。それを排除して正しいデータが得られていることをこれから客観的に証明しなければならない。たとえば黄砂をCO2と誤認してはいけないからだ。地球上の限られた数の観測地点では到底検証できなかった温暖化ガスの排出推移が明らかになる可能性が高い。面白いと思ったのは、季節によって森林がCO2を吸収してその周辺のCO2濃度が下がり、別の季節には森林が十分に吸収していないので余ったCO2が他の地域に流れているのが画面ではっきり示されていたということだ。CO2排出権制度の実施にも貴重なデータとなることは間違いない。このデータを見ると、宇宙ロケット開発に膨大な資金を投入しているのにも文句がつけにくくなるだろう。良い番組だった。