効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国に最高速鉄道営業開始

中国版新幹線が12月26日から営業を開始したと報道された。その最高速度は時速350キロで、武漢と広州の間の全長1068.6キロを結ぶ。この最高速度は営業運転速度として現時点で世界でもっとも速いものになる。当面は一日21往復が走行するが、いままで11時間かかっていたのが3時間に短縮されるから、大きな経済効果を生み出すだろう。これからさらに2012年までに広州と北京を約8時間で結ぶ路線も計画されている。
この車両にはジーメンスと川重の技術協力があったのだが、中国当局は国内技術で完成させたとしている。これからも中国が技術支援を高く評価することはしないだろう。その支援技術を踏み台にしてより高い製品を生み出すことのできる人的資源があるからだ。平均的な技術レベルで見ると日本などよりはるかに低いのは事実だが、重要技術分野に必要な人材は育成されているように見えるので、政策的支援もあって技術の習得はきわめて早いだろう。海外で学んでいた人材も多く戻ってきているから、先端技術を使った製品についても、輸入依存からできるだけ早く脱しようとするのが国策だと思う。中国のGDPが早晩日本を追い越すのは確実だといわれるが、技術開発や新製品開発についても中国政府が力点を置いている部門については国産化の速度は速いだろう。これは過去に日本がとった方策だ。
世界的に高速鉄道の建設は推進されるだろう。その時にドイツ、フランス、日本といった高速鉄道の技術を持つ国の製品が長期間輸出ベースで提供されるかについては疑問だ。世界の技術を取り込んだ中国が、アジアやアフリカに政治的な支援をする種として高速鉄道の建設を行うことは十分考えられる。現在の技術先進国がどれほどの期間先進性を維持できるだろうか。政治力と技術力、それに資源力が合体する中国はこれからいろいろな面で脅威になるだろうと思う。日本はどのような対抗策を考えれば良いのだろうか。