効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国で聞いたスマートグリッドプロジェクト

朝7時半、会議への登録を済ませて、準備されているビュッフェ形式の朝食をとるのもそこそこにスマートグリッド専門家の集まるグループの議論に参加した。本格的な会合は明日からで、今日は具体的なプロジェクトの推進担当が現状を報告する会合だ。その議論を聞いていて感じたのは、連邦政府の予算に対して沢山の事業者が計画を提出して支援金を貰おうとしている段階なので、いままで継続してきた実証事業の悩みを打ち明け合うような議論だった。意外に思えたのは、スマートグリッド自体ではなくスマートメーターを取り付けて、顧客に対して消費削減に協力して貰うにどうすれば良いかの情報交換だったことだ。顧客にスマートメーターの取り付けが、いずれはエネルギー削減によってメリットがあることを広報して納得して貰うことが、必ずしもうまく行っていないようだ。自分の使っているエネルギーを節約することに関心を持つ顧客の数が必ずしも多くはないという調査結果も報告されていた。
スマートメーターの設置によって、電力事業者側はメーター検針の手間が省けるし、検針精度が上がるために顧客からの問い合わせ電話が前年比10%減るという報告もなされた。このようなメリットがあるとしても、そのコスト削減効果が、スマートメーター設置に始まるこれからの投資よりも大きいのかどうか、電力側としても確信が持てないのではないかという感じもする。議論の中には送配電網の強化策についての議論は全く登場しなかった。明日の包括的な議論の中でどのように報告されるのかに注意していよう。この会合を開いたE Sourceは、エンドユーズの効率向上が専門だから、上流の議論は登場しにくいのかもしれないが、後のレセプションで話をしていたら、明日以降のテーマに出てくるようだ。