今日の日経新聞の一面に、東芝が初のマンション向けの燃料電池システムを2013年にも商品化すると報じられている。小型、軽量化を進めることで、各戸のベランダや玄関脇の配管スペース内に設置できるようにしたという。これに伴ってプラチナ触媒の使用量を減らすことも含めて材料費の圧縮などで製造コストも2〜3割削減する計画で、政府補助を前提にすると購入時の実質負担が百万円程度にまで下がる可能性がある。
マンションの場合、戸建てと違って、燃料電池のコストは総建物コストの中に組み込まれるし、おそらくこの場合には新築だろうから、環境に配慮したマンションとしての価値として評価されることによって普及するとも考えられる。それでも光熱費の減少で初期費用を約16年で回収できると計算されている。現在の燃料電池の回収期間30年を大幅に下回ることになるとはいえまだ高いことには違いない。しかし、家庭用の場合、頻繁に故障するなどさえなければ、燃料電池単体のコスト回収期間を気にする世帯はあまりないだろう。それよりも目先の光熱費が下がったことを実感して喜ぶのではないだろうか。
この東芝のマンション向け燃料電池は、重量が150キログラム、高さが1.5メートルほどで現在のものに比べると、重さで50キロ、高さで50センチ小さくなる。ドイツなどでは燃料電池は再生可能エネルギー扱いになるはずで、その場合、固定価格買取制度が適用されることも考えられる。日本も同じようなことを考えないだろうか。日本では燃料電池の場合、太陽電池のように電力会社が発電電力を購入はしてくれないが、温暖化対応として日本もジャンプしないだろうか。それにはまず、太陽電池について発電全量を買い取るような制度にしないといけないのだが。