効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

またまた嬉しいコメントと地方ガス会社

『はじめまして、鳥取在住の因幡写楽と申します。とても勉強になるプログで楽しみに拝見してます。ようこそ、鳥取へ。環境の勉強をしてまして、エネルギー問題は関心があります。環境好きな人たちの間では、島根の原発や急増した風力発電は話題が出ます。いい意味でも悪い意味でもです。鳥取ガスさんは、元気な企業なので感心してますよ。』というコメントを11月17日の日記にいただいた。楽しんで読んでいただいているとは嬉しい限り。
本当に鳥取ガスさんは元気な会社だ。地方都市のガス会社という制約の中で、いろいろ新しいことを試みている。燃料電池がガス事業の本命商品になることを想定して、電池本来の直流の利用を実用化しようと構想している。いま日本の地方ガスの中でもっとも積極的に事業を展開しているところではないかと思う。
日本にはガス会社が213ある。民営と公営に分かれるが、公営が民営化されたり、合併したりと、数が少しずつ減っている。欧米の都市ガス事業との大きな違いは、ガス会社相互がガスのパイプで連結されているところが極めて少ないことだ。大手のガス会社数社もそうだ。そして、都市ガス事業者のほとんどが地方都市を事業基盤としている。供給する都市ガスはほとんど13Aという天然ガス組成のものに変換されたが、その原料であるLNGを外から調達するのにパイプではなくローリーや小型のタンカー輸送で行わなければならない。そのためどうしても大手のガス会社が供給するガスより割高にならざるを得ない。したがって、電気との激しい競争に直面して、何か付加価値の高いサービスを創造しなければ、地域のお客様に継続して都市ガスを使って貰えなくなる可能性もある。
英国のガス事業も昔は沢山のガス会社があった。石炭を原料とするガスを供給していたから、都市ごとにガス事業があったのだ。ところが、天然ガスが北海で発見されて、国策として全てのガス会社が高圧幹線パイプラインで結ばれたのだ。韓国もLNGを輸入しているが、ガスの輸送は国営のガス事業によって全土をカバーするパイプラインが敷設され、都市ガス事業はそのパイプからガスを購入している。だから多分日本のようにガス料金の大きな差はないだろう。米国の場合には、天然ガスがあるのが南部に集中しているので、そこから各大都市へ天然ガスをパイプで送る事業者があって、全米に沢山ある都市ガス事業者にガスを卸供給している。米国の場合、電力事業もやっているところが多い。
日本では国を貫く高圧ガス輸送幹線がないため、地方都市のガス事業者は不利な条件で経営を維持しなくてはならない。ただエネルギーを送るのではなく、優れたサービスを送る経営をしなくてはならないのだが、鳥取ガスさんはそれをよく理解しておられると思う。