効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

小水力発電への支援強化

経済産業省資源エネルギー庁は09年度から、中小水力発電開発に対する補助率を引き上げる方針を固めました。出力1千キロワット超〜3万キロワット以下の水力発電開発を対象に、民間事業者向け補助率を最大3分の1、地方自治体向け補助率を最大2分の1にするとのこと。いままで日本にある潜在量が非常に大きいと計算されている小水力発電が、確か1千キロワット以下に補助策が最近できただけで、それ以上のものは新エネルギーとしての優遇策から外れていたのです。やっと目が向けられたのかという感じがします。いままで、自然エネルギーを利用する発電として、水力発電炭酸ガスを排出しない電源として拡大が望まれるのですが、大規模水力発電は河川環境を破壊する可能性が高いために推進策は打ち切られています。また、日本では大河川の電源利用可能性はあまり残されていないために、小水力の利用が有望なのですが、これまで促進策がとられていなかったのです。
ただ、残された課題は電力会社が買い取る価格が妥当でなければ、補助があっても収益性が出ないために開発は進みません。小水力はグリーン証書などで環境価値を販売できますが、いろいろな手段で従来の電力価格より安く発電できるようにしなければ事業に取り組む人は増えないでしょう。また、山地の奥などにあって近くに送電線がなければ、新しく送電線を設置しなくてはなりません。すぐ近くに旅館街などがあってそこで消費できれば理想的ですが、そのような場所で発電できるケースは多くないと思います。
都心に近いところでも、上水道の中継貯水槽などで落差を利用する方式が開発されつつあります。以前に関わったことのある事例で、大津の水道は、琵琶湖の水を高いところまでポンプアップして配水しているのですが、中間に供給量調整のために水を一時貯めています。ここから圧力を調整して送っているのですが、その圧力調整にタービンを使って発電したらと10年以上も前に提案したことがありましたが、当時は、コストばかりかかるとして一笑に付されました。これが再検討されないかなと思っています。洗面台の水栓にもマイクロ水力発電機がついたものが商品化されている時代です。いろいろなアイデアに対して今回の補助が有効に働いてほしい物です。これで3万キロワットというかなり大きい物まで補助の対象になるわけです。しかし、繰り返しますが、結局はこのような小水力発電に事業性がなければ意味がありませんから、補助策に加える別の制度的支援策が準備されるべきでしょう。