効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

石炭価格

鉄鋼用原料の一つである石炭価格がオーストラリアのサプライヤーとの交渉で、従来の3倍で決着したと報道されている。3倍とは実に驚きだが、世界的な資源獲得競争がここまで来たかという感じがする。鉄鉱石の価格も急上昇しているから、鉄鋼製品のユーザーとの間に厳しい値上げ交渉が予想される。いかに価格上昇を経営努力で吸収しようとしても、主要原料が3倍も上がれば、いずれは関連する商品の価格が上がるのは不可避だろう。これは日本だけの問題ではなく世界の鉄鋼メーカーに影響を与えるのだが、インドのメーカーなどは原料供給会社も系列に入れてしまうというような動きも見られ、日本は世界の市場で劣勢に立たされるかもしれない。
この問題は鉄鋼だけでなく、発電用石炭価格にも当然影響する。世界最大の石炭生産国である中国が、電力需要の急増に対応して石炭火力を増強しているために、世界的に発電用石炭が不足して価格が急速に上がりつつある。
こうなると、供給の安定性にも影響が出かねない。風力や太陽のエネルギーによる発電を少しでも増強しなければならないのだが、日本のエネルギー政策が全く背を向けているのは、今後大きな問題になるだろう。中でも太陽光発電は、スペースさえ確保すれば容量を増やすのは容易だから、後は設置で得をするような施策を早く出せるかどうかの問題である。日本の太陽電池メーカーの製造能力は十分あるのだから。