効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

冬の電力ピーク

20日の日経新聞に興味ある数字が出ていた。以前北海道電力東北電力を結ぶ連系線の容量が少ないと書いたことがあるが、これが双方向に僅か60万キロワットだと示されている。北海道電力の総発電能力は650万キロワット、東北電力は1,739万キロワットだ。そして東北電力東京電力の間は、東京から東北へ110万キロワット、東北から東京向けには500万キロワットとなっている。東電の発電能力は6,183万キロワット。しかし、柏崎・刈羽原子力発電所地震のために停止しているのでその内1割以上が少なくなっていることになる。東西で周波数が異なる地域を結ぶ周波数変換所の容量は100万キロワットしかない。
ところで、日本の電力需要ピークが冬にも顕著になっている。電気ヒートポンプ空調は冬にも暖房機として働く。しかも、オール電化ハウスが増えると、電気代が特別に安いために、遠慮なくエアコンを使うだろう。このピーク対応にも東電は気を遣わなくてはならないはずだ。しかも、原発がフル稼働していることを前提に格安の深夜電気料金が設定されているが、東電はここしばらくは火力を補強してベース電力負荷部分も賄うから、深夜には赤字で電気を供給することにもなりかねない。経営的にも危機になる可能性がある。
電力会社が相互融通する連系容量を増やすのは一朝一夕に出来ないのは明らかだから、東電は米国で進展している個別の顧客が使う電気機器の稼働を制御できるようにする需要管理プログラムを導入する必要があるだろう。これなら、1年ほどで着手できるはずだ。