効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

水力発電の容量はまだ増やせる

容量の大きい水力発電を増やすことは、もう日本では出来ないと思っていた。先ほど竹村公太郎氏の書かれた「水力発電が日本を救う」と読了して、それがまだ可能だと知った。勿論昔のように大規模なダムを新たに建設するのは無理だが、既存のダムの貯水量を増強する、砂防ダムなどを利用して水力発電を行う、小水力を普及させることなどで、かなりの増強ができるようだ。小水力発電については、自分の周囲で関わりのあるプロジェクトが進展しているのを知っているから知識はあり、一つ一つが小規模であるし、地域主体にならざるを得ないから拠点を増やすのは必ずしも順調にはいかないことも理解していたが、もっとも驚いたのは、既存の発電目的も含めた貯水ダムの貯水量を増やすことによって、発電容量を大幅にかさ上げできるということを知り、成る程と思うと同時に、その方向に行政が力を入れるかどうかについては心許ないとも思った。
さらに、日本の大型ダムは、セメントの塊、あるいは、石積みのロックフルダムについても、経年変化が起きやすい鉄筋が入っているものはなく、かつ貯水量が満杯になっても問題のない設計になっているということを知ることもできた。現在このようなダムは、利水、治水目的で運用されているために、水の高さをほとんど満水の半分くらいに維持するように管理されている。下流で農業用水などに使え、洪水を防ぐためであるが、気象の予測が精密に出来るようになったいまでは、その貯水量を大きく増やす管理をしても問題がないとのことだ。今年起きた水害のような異常気象も含めたときに同じことが言えるかに確信はないが、データの収集を上手にやれば、まず貯水量を増やしても良いだろう。それによって、純国産再エネである水力発電の開発余地が大きく残っているのは心強いことだ。砂防ダムを利用して水力発電所を作るのは全国で行われているが、これも潜在量は多いそうだ。大型水力発電を再エネの範疇から外すときもあるだけに、今回学んだことは発想の転換になった。
今日インドのモディ首相が来日して、安倍首相と会談。インドとの関係は全ての領域で重要だろう。